こころの紋様 -ミニ説教-


〜廃用性萎縮にならないために〜

- 人は本来動く動物である -


  “この世には寝るより楽はなかりけり 何たる馬鹿が起きて働く”昔こんな戯れ歌を聞かされて、

変に納得をしてしまって、未だに忘れることなく覚えています。しかし、人間は楽をすれば楽するほど

体は衰え、退化していくものらしいのです。病気で倒れてしばらく入院でもすれば、手足の筋肉は

みるみる衰え弱くなるのでよくわかります。足など骨折をすれば、動かさないほうの足は極端に細く

なり、関節は硬くなり、筋肉はよわってしまいます。骨折は治っても元の状態に回復するまでの

リハビリにかなりの時間を要するものです。
  人間の身体は廃用性萎縮と言って体の機能を

使わないとだんだん萎縮していくものらしい。

 安易に楽を求めれば求めるだけ人間の身体は

機能は萎縮し、弱っていくのは外面ばかりでなく

内臓諸器官でも同じことです。消化胃薬ばかりに

頼っていたら本来自然に分泌される消化液や

ホルモン分泌が鈍ったり、なくなってしまい自然

良能、自然治癒力も弱ってしまいます。

 アメリカの初期の頃の宇宙ロケットの飛行士たちがある時期カルシウム不足に悩まされたという

ことです。どんなにカルシウム剤を飲ませてもおしっこと共に体外へ出てしまったそうです。

 原因は狭い空間に閉じ込められ、座りぱなしでだったための運動不足だったのです。

カルシウムは人間が立ったり動いたり走ることによって効率的に骨に定着し、骨は丈夫になり

骨折を防ぐのだということです。

 運動不足のお年寄りや子供の骨折についても言える

ことで、最近多いの児童の骨折も走ったり跳ねたりする

運動不足とも聞いています。硬いものをあまり食べず、

柔らかい物ばを食べる傾向から、現代っ子はあまり

噛まないために顎の発達が悪く、歯の成長が出来にくく

なっているとも聞きます。成長以前の子供までが既に

廃用性萎縮ではかわいそうです。

 “この世には寝るより楽はなかりけり 何たる馬鹿が起きて働く”というのは元気で働く人の願望で

あっても、現実は決して楽であるはずはありません。手や足は動かさないと頭の働き悪くなり、当然

認知症の原因にもなると言えましょう。やはり人間の身体は動かし使わなければならないように

出来ているのです。車や機械の普及によって便利になり身体的にも楽になりました。

 しかし、その分運動不足気味になり、糖尿病などの成人病の心配が大きくなってきました。

しかし、人間の身体は本能的には働きたがり、汗を流したりしたがっているのに、車に頼り便利さに

慣れてしまって、知らず知らずに廃用性萎縮の症状から、心身障害者になってしまわないよう気を

つけたいものです。




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