こころの紋様 -ミニ説教-


〜 なぜ子供たちは死を急ぐ 〜

―見直したい食生活―



 このところ、いじめや自殺騒ぎが続き、その真相がハッキリしないところに親をはじめ教育関係者は

イライラ、オロオロさせられる状態であったといえましょう。いろいろ専門の先生方の意見や評論は述べ

られていますが、このような社会現象を引き起こした原因はさまざまで、唯一の原因だといえるものはない

はずです。またこの現象は日本ばかりではなく、先年訪ねたニュージーランドの学校でも深刻な問題だと

いうことを聞かされていました。最近の新聞報道では、「いじめ」は世界各国の共通した社会問題だといわ

れています。まさに現代社会のゆがみから生まれた現象として捉えみなければ、根本的解決は見出せ

ないかもしれません。
 最近、食育ということが叫ばれ、学校および家庭での食生活の

見直しが叫ばれるようになりました。ここ地元、宗像市では「早寝・

早起き・朝ごはん」をスローガンにして学校から家庭への呼びかけ

を行っています。家庭の生活環境が大きく変わり、子供の生活

習慣も夜型、深夜型の生活パターンとなり、必然的に遅起き、

朝ごはん抜きやインスタント化の朝食となり、日常の疲れがその

まま学校での授業中の居眠りや、集中力の欠如となっている

ことも考えられます。最近お役の関係で学校訪問の機会が増え

授業の参観で子供たちの様子を見ることが多くなりました。単なる表面的観察で推し量ることは出来

ませんが、やはり、私は食生活の変化と過ちがもっとも大事なひとつの要素だと考えます。

 現代の子供たちの体位の向上は目を見張るものがあります。その体位の向上に比例して食肉消費の

増加が如実に物語っています。肉食偏重による肥満病は大人ばかりでなく子供たちまでも及んでいます。

社会的に問題となっている性的非行も、刺激の強い社会環境のほかに食生活の不適正による精神と

肉体の不均衡に大きな原因が隠されているはずです。問題は早い時期に肉体だけが大人になった

子供は、精神的、情緒的成長が伴わず、理性による抑止力が弱く、感情が乱れやすく不安定な状態に

あるといわれています。早く成熟しながら理性がそれに追いつかない状態ほど危険なことはありません。

ただでさえひ弱で傷つきやすい子供の感情は、ちょっとした失望や

失意や、親や先生の叱責によって、極端から極端へ走り、暴力、

いじめ、また自殺へと走ってしまうことも考えられることです。

この肉体と精神のアンバランスこそ食生活の誤りだとの指摘も

されています。人間は他のどんな動物とも違って20年という驚くべき

長い年月、時間をかけて一人前の大人になっていくという自然の

摂理を考えなければならないと思います。

この二十年間に肉体をつくると共に、ゆっくり理性と感性をみがき、知性を豊かにしていくことなのです。

ところが日本では体質の違う西洋人種の食習慣を取り入れ体格向上を図り、学力向上に熱心になり

ましたが、肝心の理性や知性、感性、情緒、情操の教育を忘れてしまったような気がします。

 肉体づくりの栄養面の食育でなく、おやさいたっぷりの心身ともに健全な育ちのある食生活をめざして

いきたいものです。お野菜を多く食する人の性格は穏やかで粗暴さが少なく協調性もゆたかだという

報告もあるように、食によるいじめ減少効果も考えられないことでしょうか。



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