こころの紋様 -ミニ説教-


〜 無責任は誰だ 〜

―親こそ最大の教師―



 「近頃の若者はだらしない」「根気がまるでない」「責任感がない」「自分本位で思いやりがない」等々

若者に対する評価は厳しく、風あたりは強くなってきているようです。

なるほど確かにそのように批判される事実も見受けられこともありますが、ただ若者を責めてしまうこと

では問題の解決にはなりません。女高生の売春、恐喝にたまげてしまい眉をひそめてしまいたくもあり

ますが、そういう風潮を助長する低俗なTV番組を制作し、エロ雑誌、低俗漫画を編集発刊しているのが

実は大人であり、子を持つ親であることです。道徳心が無いと嘆く前に、親たち自信の道徳心はあるの

でしょうか。 私は見ず知らずの子供たちから「おはよう!こんにちは!」と言う挨拶を受けることは多い

のですが、見ず知らずの大人たちからこんな親しげな挨拶を受けることはほとんどありません。

むしろ子供たちのほうこそ学校で習ったり教えられる

道徳教育の実践をしてくれているようにも思います。

 子供たちは家庭や社会の反映で育ち、敏感に反応

します。若者がだらしないのも、根気がないのも、無責任

なのも、他人のことを考えないのも、親がそうであり、

社会がそうであるからかもしれません。

 教育は、社会、家庭、学校の三つの分野から成り立っていると思います。そして、0歳から教育は

家庭で開始されます。しかも、一生の脳の機能は、生後一年と数ヶ月でほぼ決まるとさえ言われている

ほどです。人としての基本的生活習慣も、幼児の頃その基礎が作られ、運動神経は十二、三歳でほぼ

完成すると言われています。そしてこの間の生活時間がもっとも長いのが家庭なのです。

と言うことは家庭こそがもっとも重要な教育の場であると言っても過言ではありません。

 ところが、一般的には親は家庭での教師であることを知らないのか、日常生活の中に教育があることの

理解も認識もすくないようです。いわゆる教育とは、学校で教えること、塾で教える学問のことぐらいにしか

思わず、しかも受験に役立つ授業が一番と言うほどの理解かもしれません。教育即学校と言う思い込みが

あり責任をすべて学校おしつけて家庭教育を顧みない人も少なからずあるようです。

そして「うちの子に限って」とわが子の非を認めず、学校や社会のせいにしている場合もあります。

 世を震撼させる少年犯罪の当事者は大抵は子供の頃は

頭のいい子、おとなしい利口な子供であったと言うことを

聞かされます。いわゆる頭のいい子、利口な子と言う見方

でなくもっと人格形成の基本的なものを、家庭の先生で

ある親は厳しく教えておきたいものです。

子供は親の後姿を見て育つと申します。教えることは言葉などで説く講義ではなく、家庭における人としての

生き方を、身をもって示していくことではないでしょうか。「氏より育ち」といわれるとおり、父母の影響、家庭

環境がどれだけ子供の育ちに左右するか計り知れません。



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