こころの紋様 -ミニ説教-

〜心で起る体の病〜

ストレス過剰時代の信仰



田中外務大臣更迭をめぐり、内閣支持率は急落して、小泉首相の白髪が急に増えてきたように思えます。

強気で振舞う首相でもやはり、かなりのストレスがあるに違いないでしょう。嘘つき男と叩かれ、ムネオ

ハウスの入札などさまざまな疑惑の渦中の鈴木宗男議員の心中も穏やかではないでしょう。

しかし、平然と言い逃れに終始する鈴木氏の顔に巷間ではあきれ、政治家としての資質を問う声さえ聞かれ

ました。その是非はともかく、このことは、政治家と言うものは少々のストレスやプレッシャーに耐えうる強靭な

精神、強心臓、恥じらいにも耐えうる厚顔無恥の持ち主でなければ務まらないのだという現実を見せてくれた

のだと思わざるを得ません。
勿論ストレスは政治家だけではありません。まさに現代はストレス過剰

時代で、誰もが大なり小なりのストレスを持ち、イライラ状態にあります。

そのストレスはいろいろな病気を引き起こすことが知られています。

いわゆる心身症です。

既に故人になられていますが、以前、日本心身医学会会長だった元九州

大学名誉教授の池見酉次郎先生のご自宅を訪ねお話を伺ったことが

あります。私が先生に治療を受けたと言うわけではありませんが、当時、

池見先生は大変座禅への関心を寄せられ心身症の治療への応用もされて

おられたことからです。昔から「病は気から」と言う諺がありますが、この

「気」や「心」に現代医学の光を当て、精神身体医学と言う新しい分野から

「心で起る体の病気」に取り組まれていました。

座禅が病気治療にどれだけ役立つかは知りませんが、現代社会の精神的抑圧、ストレスの多い時代に

あっては、静かに坐して、わが心を見つめ休める時間を作ることは決して無駄ではないはずです。

忙しい現代人であればあるほど、つい己の心を見失い、貪(とん=むさぼり)瞋(じん=いかり)癡(ち=ぐち、

おろかさ)の煩悩の毒に蝕まれ、知らず知らずに心身が犯されていることも少なくありません。

たとえどんなに医学が発達しても病気は益々多くなり、原因不明の心から

起る病は、もう薬や注射では治せず、心の安定、心のケア治療がせまられて

います。じつに現代こそ宗教による心の救い、信仰による心の安定が求めら

れているのではないかと思います。

しかし、忙しくて信仰などしている暇はないという人がいますが、人は仕事を

するために生きているのでしょうか。人はよりよく生きたいと願いながら、

人としての何か大切なものを忘れて働き、神経をすり減らし、ストレスをため

こみ、ストレス解消のために酒やタバコの度を過ごして病気を引き起こして

いる人も少なくありません。信仰は暇な人がするというものではなく、生きる

指針、生活の心の基盤を築くためのものであり、むしろ、忙しい人ほど日々

神仏に照らし、己を顧みて、仕事に励み神仏の加護に与る中での仕事で

ありたいものです。

今、健康保険の赤字が大変だと言うことを聞きますが、無駄な心労をなくし、心の安定のための心の修行

としての信仰、宗教生活をすることによって、健康保険の赤字など直ぐに解消するのではないかと思います。


最後までお読み頂いてありがとう御座います。

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