こころの紋様 -ミニ説教-

ありがとうはこころ
〜愚痴多き人哀れ〜



ある言葉に関する調査によれば日本人が一番好きな言葉は「ありがとう」だということです。「ありがとう」は

私たちが感謝の言葉として、日常的に何気なく使っている言葉です。しかし、その何気なく使う「ありがとう」と

いう言葉がどれだけ、人と人の和を作り、日本人の生活を円満ならしめてきたことでしょう。

「有難う」とは「ありがとう」と書かれるように「有ることがが難い」、すなわち「めったにないことがある」という

ことで、めったにないことがあるから「ありがたい」となり、それが感謝の言葉となったといいます。

この寺のホームページに相談室を設けています。時々質問や相談に応じていますが、これに対して感謝の

Eメールや手紙を頂きます。

先だっては

「本当に有難うございます。時々『有難う』以上の感謝の言葉がないもの

かと、心苦しさを覚えることがありますが、今まさに、そのような感じです」


という最大に感謝の気持ちを込めた礼状をもらって、こちらこそ「有難う」と

喜ばせて頂きました。

ところが最近、その「ありがとう」という言葉を言えなくなった人が多くなったように思えて仕方がありません。

子供の礼儀知らずも気になりますが、大人でも目に余ることがあります。『有難う』感謝の言葉を求めるつもりは

なかっても、こちらの好意や恩をあだで返されたり、無視されてはいい気がしないものです。

『有難う』の言葉を知らない人はいないはずです。多分『感謝』心を持ち合わせていなかったのでしょう。

しかし、実はこういう感謝を知らない人こそかわいそうな人かもしれません。

感謝の心を忘れた人は足ることを知らず、こころ満たされることなく不平

不満に満ちた人でしょう。感謝を知らない人は、誠なるよろこびを知らず、

愚痴多き人です。愚痴多き人は無明渇愛の迷いに苦しむ人です。

さてさて、そういう自分はどうなのか。御仏の御前でちょっとためらう私です。



最後までお読み頂いてありがとう御座います。

 ぜひご感想をお寄せ下さい。

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