こころの紋様 -ミニ説教-

仏壇を買って悪い日、よい日?     
かくて迷信は生まれる
    
 仏壇を買う日は何時がよいかという問い合わせを受けることがあります。

お彼岸とかお盆とか、年忌法要のとき以外の何でもないときに買うのはよくないという俗説があるようなのです。

「和尚さん、あの家は、何でもないときに買われてすぐに子供さんが事故に合われて、ご主人も病気になって

入院されたんですよ。やっぱりそういうことってよう当たりますねぇ.。」と私に同調を求めてくる人もいました。

そんな時、「まあ、そういうこともあるかもしれませんねぇ。」と一応の返事をして、「じゃぁ、なぜ何でもないときに

お仏壇を買ってはいけないと言われるのか知っていますか?」と逆に質問します。

もちろん知らないから相談に来たのでしょうから、答えが帰って来るはずもありません。

「なぜ、仏事のときや彼岸のとき以外の何でもない時に

仏壇を買ってはいけないようになったのかと言うのは、

昔の旧暦の時代、大陰暦では閏年(うるうどし)にまた

三年に一回の閏月があって一年は13ヶ月の時が

ありました。

人々は年間の収入は同じでも、余分に一月分の

生活費がかかることになり、多くの藩では節約の

ために、閏年には贅沢品や仏壇などの金のかかる

物の購入を禁止した贅沢禁止令が出された

ということです。

このように、たしかに昔は何時でも仏壇は買えないと

言うことがありました。

 その後も倹約精神は生きて、高価な仏壇などを買う時は年忌とかお盆の仏事の時にかこつけて

買い求めるようになっていったようです。

その何時でも買ってはいけないと言うことのみが今日も生き残り、それ以外の時に買えば

よくないことがあると言うような迷信が結びついたことなのです。

仏壇そのものが、人の生死や幸や不幸を左右する魔力があるものではありませんよ」

と言って説明してやりました。
 仏壇を置き、仏をまつり、先祖を敬う崇仏敬祖は

昔からの日本の信仰形態であり、その心は尊ぶべき

ことです。

ところが、今日その崇仏敬祖の念より、先祖からの

家に引継ぎとしての象徴としての仏壇であったり、

子孫として義務的にまつるとか、又仏壇を祀ることが

家の繁栄や幸せになると言う欲な願いが込められて

いたり、その逆に、祀り方が悪いと仏罰とか、先祖の

障りが云々される傾向があります。

 仏壇を置き、仏をまつり、先祖を敬う崇仏敬祖は昔からの日本の信仰形態であり、その心は

尊ぶべきことです。

ところが、今日その崇仏敬祖の念より、先祖からの家に引継ぎとしての象徴としての仏壇であったり、

子孫として義務的にまつるとか、又仏壇を祀ることが家の繁栄や幸せになると言う欲な願いが

込められていたり、その逆に、祀り方が悪いと仏罰とか、先祖の障りが云々される傾向があります。


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