−こころの紋様−
〜大自然の厳かな儀式〜
「荒れ狂う海、太陽が没していく海、波もたたない静かな海、、、、。 どの場面でも、一日見つめて |
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夕暮れの浜辺を駆けているとき、沖へ向かって手を合わせ 祈る人を時々見かける時がある。 祈りの邪魔にならぬよう、知らぬ振りをして通り過ぎながら、 「何を祈っているのだろうか?」などとふと人の心をのぞいて みたくなる。 しかし、私も考えてみれば、自分自身が海に 祈りを捧げているのかも知れないと言う思いになる。 |
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私は海に手を合わせて祈るということはない。だが、波荒き時も、なぎ(凪)の静かな時も、ただ一人 陽は沈みかける、あたりは何もかも赤く染まり、水はキラキラと輝きながら暮れゆくつかの間、波の音は |
貴き人に追いすがるように、思わず手を合わせたくもなる。夕暮れの 海は不思議な力を持っている。海は神宿るかのように、否や、自然が、 海が神そのものなのかもしれない。 |
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古代より海は祈りを誘い、人は海へ祈りを捧げてきた。荒ぶる海は人のおごりの心を打ち砕き、その愚かさを |