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自然現象と言うのは、特定の誰かのためにあるのではなく、大自然の 条件の中で雨が降ったり、風が吹いたり、日和が続いたりするものです。 ところが、当寺の法要や祈りの集いに参加する人たちの中に、よく、 「今まであんなにひどい雨だったのに、私がお寺さんにお参りをする時に は、不思議にいつも止んでしまうんですよ。やはり仏さんのお陰を頂い いるんですね」と言う喜びの声をしばしば耳にすることがあります。 もちろん、その方が自然現象を左右するほどの超能力を発揮されている わけでのありません。ところが現実に、その方はちゃんとお守り頂き、 様々なおかげを頂いているのですから、やはり、不思議であり、そこに信 仰の功徳や信仰の尊さがあるのだと思いました。 |
私たちが何でもないこと、当たり前のこととして見過ごしているような、お天気の具合ひとつにも、感謝で
うけとめ、喜びとすることができる人は、素直であり、心豊かな人です。心豊かなればこそ、日常生活に
おけるさまざまな出来事にも、マイナス的に受けとめず、前向きに受け止め、それを感謝と喜びに表す
ことが出来るのでしょう。
教えのことばに「御仏は、ただ祈ったり、願うものに加護するにあらず、授けるに値する資格者にのみに
授けられるなり」」と言われています。即ち、信仰とは、単に仏様を拝んだり、祈ったりしてご利益、
ご加護を願うのではなく、御仏の教えを身につけ、それを行うことです。その真の信仰によって欲心は
清められ、執われが無くなれば心の豊かさは育ち、感謝と喜びの心も自然に生まれ、おのずと仏の
おかげを頂ける資格者になれるのだと思いました。